12月26日(水)

 クリスマスといえば明石家サンタ!明石家サンタといえば不幸な話!というわけで、クリスマスに仕事をしていた僕の不幸話でも書いていきたいと思います。


 今年のはじめに、当時好きだった女の子と神社に行きました。そこでおみくじを引こうと思って、今年の運勢はどうなのかなと思って、年始にがんばって働いている可愛い巫女さんからおみくじを買いました。

 好きだった女の子も買ったので、結果はどうだったのかなと思って見せてもらったら「中吉」で、一番ちょうどいい運勢で羨ましいなーと思いました。僕との関係もぼちぼち続いたりするのかなあなんて思っていました。

 そのあと、好きだった女の子に「早く見ようよ!」と言われて、僕が買ったおみくじを見たら、そこには「凶」の文字が書かれていました。僕の今年の運勢は「凶」でした。好きだった女の子はそれを見て大笑いしていました。

 結構落ち込んでいたんですけど、悪い結果が出たので、おみくじを木に結べば厄が取れるとかなんとかと聞いた事があったので、木の枝に「凶」のおみくじを結ぼうと、おみくじを細くなるように折り曲げ、少し背伸びをしながらおみくじを木の枝に結ぼうとしたら…

 お み く じ が 破 れ ま し た 。

 厄 払 い も で き ま せ ん で し た 。

 散々たる結果に、好きだった女の子は笑いっぱなしで、僕は失笑するのが精一杯でした。

 その神社デートが終わってからも、好きだった女の子とも関係が続いていましたが、それから1ヶ月ほど経った時、他の男とデートに行ってきた報告を受けました。すごく楽しそうに、イケメンだったとか、かっこいいことをしてくれたとか、僕には無い、出来ない事をたくさん言ってくれました。

 それからはそういう報告を受けてはストレスが溜まるだけの関係が続き、1か月後くらいにはそのイケメンとの関係も終わり、また元に戻れるかとおもいきやまた別の男のもとへ行っては幸せな報告を受けるという関係が続き、そしてそんな関係も次第に薄れていき、5月に終わりを迎えました。「凶」を結べていればこんなことにはならなかったのかなあと時々考えてしまいます。以上、今年あった僕の不幸話でした。

12月06日(木)

 こないだ、自動車免許の更新に行ってきました。初回更新は津まで行ってきたんですけど、今って地元の警察署で更新できるんですね。交通費について心配してたので、徒歩で行ける距離の場所なので交通費が浮いてラッキー!だと思いながら免許更新に行ってきました。

 平日のお昼だったので暇そうだなあと思いつつも、自首しに来たと思われたらどうしようとか、行ったら今までの軽犯罪(家で出た空き缶を自販機横のゴミ箱に入れるなど)が積み重なっているのが原因で逮捕されるんじゃないのかなどという意味の分からない不安を抱えながら警察署に行きました。

 入ってすぐに逮捕される事はなく、むしろ「何しにきたの…?」的な視線を感じつつも、邪魔者扱いされながらの免許更新の順番待ちをしてました。そう、僕以外にも免許更新をしに来た人がいたのです。平日の昼間なのに。…まぁ、相手からすれば僕の事を同じように思っていたでしょうけど。

 目の前を消防隊員を通り過ぎて「うぉー消防隊員やー!」とミーハー丸出しの叫び声を心の中であげていると、事務員の人に呼ばれて免許更新の手続きをする事ができました。手慣れた感じで、流れ作業のように書類の手続きを終えました。

 免許更新をするには視力検査をして目が見えているのかを確かめるんですが、僕はその視力検査が大好きです。免許更新とかしなくていいから視力検査だけさせてほしいくらいですし、家に視力検査の機械が欲しいくらい大好きです。まあ邪魔ですし1回やったら満足してしまうので買いませんけども。

 で、その(最初だけは)楽しい視力検査がはじまる前に、「コンタクトレンズは付けてらっしゃいますか?」との質問が。僕は、待ってましたと言わんばかりに「付けてません(キリッ」と答えました。事務員さんは一切動じず、流れ作業のように視力検査機に案内してくれました。僕のささやかな自慢が流れた瞬間でした。

 ランドルト環(Cみたいなやつ)の示す方向を、僕は「右!(キリッ」「左!(キリッ」などとキラキラさせながら答えました。どうだ、すごいでしょう?パソコンとゲームばかりしてるのに視力だけは良いんですよねーと言いたげに振舞ったものの、事務員さんは一切動じず、またも流れ作業の波にあっさり飲まれてしまった。ゲームばかりしてますと言うべきだっただろうか…。

 そのあとに写真撮影を行い、その日はそれで検査が終わりました。そして、「また後日講座を受けてください」という旨の説明を受けました。なんと、免許更新をするには2日もの歳月を費やさないといけないらしいのです。とても面倒…。津まで行けばその日で終わるらしいんですが、「交通費」のことを考えると仕方ないかなと思いました。僕にとって、「一日」よりも「交通費」が大事なのです。そう、僕にはお金がない。誰かお金ください。


 流れ作業の波に飲まれてから数日後、警察署近くにある講習会に参加してきました。その日もその日で平日のお昼でしたし、人なんて全然いないだろうと思ってたんですが、椅子がほとんど埋まるほどの人がいました。みんな平日の昼になにしてんの。

 講習は30分だけでした。講師は女性でしたが、特に何も思う事はなく、この人は普段どんな仕事をしていて給料をいくら貰っているのかなどと下世話な事ばかりを考えながら講義を聞いていました。

 途中からビデオが流れ、タモリ倶楽部の空耳アワーとかさんま御殿のVTRに出てきそうな俳優さんたちが車の事故防止について芝居をしてくれました。またしても僕は、この人たちはアパートの小さな部屋を借りてバイトを掛け持ちしながら夢を目指して頑張ってるのかなあなどと下世話な事ばかり考えながら講義を聞いていました。なので、僕だけ妙に見入った感じでビデオを眺めていました。端から見れば僕がどれだけ熱心にビデオを見ていたことだろうか。

 ビデオのあとに、また講義がはじまりました。配られた交通に関する本を読みながら講師の話を聞いていました。講師は「10ページ開いてくれますか?そこに書かれているように――」などと言いながらの講義で、みんなが講師の言う事を聞き、本をペラペラとめくる音が流れていました。

 僕も同じように本をめくりながら聞いていたんですが、講師の言ったページではないところを読んでいた時に、講師が、僕が見ているページをみんなに指示しだしたのです。なんか、僕の見てるページをみんなが読んでくる。僕のあとを追ってくる。それを講師が指示している…。その妙な支配しているような感覚がたまらなく快感でした。

 そのような感覚が一度だけならただの偶然で終わる話なんですけど、そのような事が何度も何度も起こったのです。講師が僕の見ているページを指示し、みんなが僕の見ているページを開く。妙な支配感覚は次第に抜けていき、次第に、僕には超能力の類があるのではないのかと思うようになったのです。

 なにせ、さすがに何度も何度もそんな事はあるはずがないじゃないですか。じゃあもう超能力以外ありえないじゃないですか。超能力なんですよ。僕は超能力でみんなの見るページを操ってるんですよ。すっごいしょうもないけど。すっごいしょうもないけど。

 その、すっごいしょうもない能力は講義の最後まで続きました。とても不思議な時間でした。この超能力をどうやって活かしていくべきなのかを考えながら、配られた資料をバッグに入れ、まるで魔王になったかのような態度で部屋から出ようとドアを引きました。

 あ、あれ、開かない…。

 なんで…?引くんでしょ?もしかしてこのドアは鍵が閉まっているのではないのか?そう思い、また別のドアを引きました。

 あ、あれ、開かない…。

 え…?意味がわからない…。僕はとてもパニックになりました。普通開くはずなのに…。もしかして鍵が閉まっているのか?閉じ込められてしまったのか!?話を聞かなかったから監禁されてしまったのか!?僕はそのような結論を抱えながら、講師の人に「開かないんですけど…」と目で訴えた。すると講師は冷静にこう言った。


 講師「押したら開きますよ。」


 押した。


 開いた。


 僕はこの時に悟った。超能力なんて持っていない。ただの偶然だ。超能力があったらドアなんか引いても開いたはずだ。それに、講義を受けていた他の人の呆然とした姿を見て我に返った。僕はただの人間。普通の人。免許更新をしにきた、ただの普通の人。

 講習会の会場から出て、そのまま歩いて帰っていった。道中で雨が降り出し、晴れていたために傘を持ってきておらず、歩いて帰っているのは僕だけだった。もし僕に超能力があるならば、それは雨男という要らない能力なのだろう。

12月05日(水)

 以前、「ドキドキ郵便箱」というメッセージアプリで、韓国の女の子と話したけどブロックされてしまった話を書いた。その「ドキドキ郵便箱」というアプリと一緒で、メッセージを送り合う「マジカルメール」というアプリがある。この2つのアプリの違いは色々と細かい部分であるのだが、「マジカルメール」は基本的に日本人ばかりがいて、あまり海外の人からメッセージが飛んでこない。年齢層も「マジカルメール」のほうが若いし、女性からメッセージが来る事が結構ある。

 その「マジカルメール」で仲良くなった人はあまりいないのだが、つい先日、女性のメールアドレスを聞き出す事に成功したので、その話をしようと思う。

 それは深夜のことであった。そろそろ寝ようかなと思っていた矢先、「マジカルメール」からメッセージが送られてきたのだ。

 24歳関東女ミポポ「ラインってやってる?いっぱい飲んじゃったからムラムラしちゃってる(!ノ3<*)xxx48でやってるから絡みに来てね♪」

 いきなりのLINEへの誘い。しかも性欲フル回転状態。酔ってるってことは色々できたりするんじゃないのか!?などと妄想を膨らませ、同時に股間も膨らんでいく。眠気も一気に吹っ飛び、すかさずLINEから「マジカルメールからきましたー」とメッセージを飛ばした。すると、間もなくして返事が返ってきた。

 24歳関東女ミポポ「ムラムラしちゃって寝れない24歳のひまっ子です?ちょうどスッキリしちゃった?そういえばどこ住みで何歳なのぉ!?」

 ぼく「24歳だよー、三重県に住んでる」

 24歳関東女ミポポ「わー!同じ住みだよΣ私は地元も同じなんだぁ♪」

 …あ、あれ?関東じゃないの!?「マジカルメール」のプロフィール欄には関東って書いてあったはずなのに…。三重県はどうあがいても関東じゃなく、あったとしても中部地方。なのに関東…?不思議に思い、「関東じゃなかったの?」と聞いてみた。

 24歳関東女ミポポ「なんで関東登録になってるんだろう(汗)でも同じだと親近感出てきたよう?地元以外のどこか遠くにで遊びたいと思うんだぁ…いつもどのへんで遊んでるのかなぁ?」

 ごめんなさい。家でしか遊んでません。遠くになんか行きません。行く友達がいません。みんな遠くにいるし会いに行く用事もないので遊びません。「家!」って言うのもアレだし、昔、ビッチと遊んでた「京都とか奈良あたり」と答えた。すると、

 24歳関東女ミポポ「いいね^^今度遊んじゃう?xxxxxxxx@docomo.ne.jp」

 …ちょっと展開が早すぎやしませんかね?それにLINEで十分に会話できると思うのに…。少し不審に思い、「LINEじゃだめなの?」と尋ねてみた。

 24歳関東女ミポポ「だって…マジカルメールで投稿したから、知らない人からもいっぱい返事来て大変なんだもんTTラインは一回削除するから直で連絡してくれて大丈夫だよぉ?」

 なんでラインを削除するんだろう…意味がわからない。友達の連絡先とかも登録してあるものじゃないの?なのになぜ削除するのか。それにマジカルメールは1通送って、届く相手は1人だけ。知らない人からも返事が来ることはない。そういうアプリもあるのはあるが、それは別のアプリにしかない機能だ。だめだこの人、完全にごちゃまぜになってる。酔っ払った影響なのだろうか。それともサクラ?新たな出会い系?不審に思いつつも、とりあえず性欲に身を任せて携帯アド宛にメールを送ってみた。すると返事がすぐに返ってきた。

 24歳関東女ミポポ「メールありがとう?男の子と普段メールすることとかゼロだから今すっごい緊張しちゃってます。」
 普段メールしない割にお酒に酔った勢いでLINEに招待とかするんだな…女の子の行動力っていったいどうなってるの…理解ができない…。その続きにも、驚くべき事が書かれていた。

 24歳関東女ミポポ「それとみほ、今使ってる携帯がメールアプリバグっててちゃんと受信とかできなくなっちゃってて…途中でメール止まっちゃったらごめんね。普段はパティシエやってて毎日スイーツとか作ってます!ブログもやってるから教えておくね☆http://ameblo.jp/xxxxxx/」

 メールアプリってバグるの…?聞いたことがないんだけど…。docomoだったしGALAXYか?さすがにそんな初歩的なバグはdocomoはすぐに治すはずだし、メールがバグるようなら友達とメールが一切できないだろうに…。この子は友達がいないのだろうか。それともただのどうしようもない出来損ないのサクラなのか?とりあえず、本物なのかどうかはblogを読めばわかるはず。やっぱり偽物ならばそれらしい事を書いている。僕はメールの続きを読むのを一旦やめてblogを読むことにした。

 そこには驚くべき事が書かれていた。ミポポには兄がいて、その兄は生まれつき下半身不随なのだそうだ。その兄の世話をしている影響で、男性を恋愛対象として見ることができず、男性恐怖症になってしまったそうだ。パティシエの仕事についても書かれていたが、それについてはとても楽しそうに書いてあった。僕には、パティシエをやりがいに感じながらも、心に大きな傷を負っているのを隠し、楽しく振舞っているかのように見えた。お酒を飲んでムラムラしてしまったのも、きっと普段のストレスからきているのだろう。僕はミポポさんに同情した。支えてあげようと思った。僕もミポポさんの兄の世話をしながら、ミポポさんの男性恐怖症を取り除いてあげて、いつか2人で幸せになろう。そう思った。メールアプリがバグるのは嘘っぽいとかLINEのIDを消す意味がわからないとか、挙げ句の果てにはサクラだと疑ってしまった事をとても情けなく思った。ミポポさんごめんなさい。

 僕は一粒の涙を心のなかで流したあと、メールの続きを読むことにした。

 僕の未来の花嫁ミポポ「とりあえずもしメールアプリのバグとかで連絡取れなくなったりするのはつらいし、みほのパティシエブログ載せてる場所もう一個教えておくね!こっちだったらチャットとかもできるっぽいからこのあと連絡してくれると嬉しいな☆http://xxxx.net/miho_mail/ とりあえずみほ、こっちから連絡来るの待ってみるね!スマートフォン調子悪いからこのままメールアプリ削除しちゃうね…。それじゃ、チャットから連絡くるの待ってるね?」
 僕はそこに書かれていたアドレスにアクセスした
。そこには、「友達トークの招待状を送る事でその人と連絡が取れるようになる」と書かれていた。よくわからないけどとりあえずこの人と連絡と取って結婚しないといけないからメールを送ってみた。

 しかし、ミポポから連絡がくることはなかった。招待状の返事すら返ってこない。なぜなのか…。わけがわからないので、ミポポの携帯アドに「届かないんだけど?」とメールを送ってみた。でも、すでにメールアドレスは削除されていた…。ミポポはすでにメールアプリなるものを削除していた。

 LINEもすでに退会している様子で、連絡を取る手段が何もない。困った。僕はフリアドだけではなく携帯アドからも友達トークの招待状なるものを送ってみた。だが、返事はなかった。


 僕は一切返事が来ない携帯電話と睨めっこをしている最中、すっかり熟睡しきっていた。目覚まし時計が鳴り、目が覚め、携帯電話にミポポから連絡が来ていないか確かめた。


 メール受信数:286件


 中身はミポポからのメールではなく、すべて出会い系サイトからのメールだった。なぜ出会い系サイトからたくさんのメールが届いたのかはよくわからないが、いつかはミポポから連絡があると信じ、今もなお友達トークの招待状を送り続けている。