■02月27日(水)
僕の人生で、毎週のように嫌がらせをしてくるものがある。それは木曜日だ。ただ毎週同じように訪れるものではなく、なにか困るようなことがあるのは決まって木曜日なのだ。
そのはじまりは小学5年生の頃だった。クラスで委員を決める時、僕は今まで委員をやったことがなかったので、半ば強制でやらされることになったのだ。それで僕は掲示委員になった。校内の掲示物(ポスター、プリントなど)を貼る係である。僕にとって気が抜けない大事な委員活動を任され、それをやるのが木曜日であった。僕にとって、これが木曜日という悪魔との出会いだった。
委員活動自体は大したことはなかったが、責任を負わされたのはこれが初めてなので、毎週木曜日を迎えるのが少し億劫だった。結局、小学校を卒業するまで掲示委員は続き、木曜日という悪魔から逃れることはできなかった。
中学にあがっても、木曜日は僕を苦しめた。授業数が多い曜日が火曜日と木曜日であったため、ただ適当に過ごしていても苦痛であったのだ。それに、祝日で木曜日が休みになることもほとんどなかった。疲れが溜まってくる時期で、休みである土曜日には少し遠いため、精神的に辛い曜日なのに、祝日になることなど全然なく、しかも授業数が多く面倒。部活も、木曜日だけ体力強化と題して、苦手なマラソンや筋トレを中心にやらされた。普段はとても楽しく和気藹々と部活を楽しんでいたのに、木曜日だけは全く楽しくなかった。結局、中学校でも木曜日という悪魔から逃れることはできなかった。
高校も中学生の時と変わらず、毎週のように僕を苦しめ続けた。授業数が多く、しかもやる授業も僕の嫌いな体育の授業だったり、面倒で興味のない実習が毎回2時間入っていたり、なんにも面白いことがなかった。今までは木曜日のことを軽く考えていたが、これほど長年にわたって苦しめ続けられることで、僕の中で木曜日が「悪魔」そのものになりつつあった。
社会人になっても、木曜日は僕を逃してはくれなかった。そもそも週5で働いていると、月火水木金の「木」の位置の中途半端なところで社畜感を感じてしまう。。「休み明けに3日連続で働きました!あとは今日を入れて2日働きます!」という、奴隷に一番似ている曜日こそが木曜日だ。水曜日が終われば、「てっぺんまできた・・・あとは山を下るだけ・・・」と思えるが、山登りにおいて、「山を下りるときこそ山登りの本番」と言われている。つまり、木曜日こそが地獄なのである。そんな木曜日に仕事をしに行くとき、テンションが上がった試しがないのは僕だけだろうか。
そんな社畜感はシフト勤務になったことでなくなったものの、今の職場においても、木曜日は僕にとって悪魔でしかない。いや、今は死神になりつつあるかもしれない。さきほど言ったような、山を下るときのような地獄ではなくなった。シフト勤務になったことで5連勤が無くなった僕に、木曜日など怖い存在ではない。ようやく悪魔は去った。そう思っていた。
しかし、悪魔は僕を逃してはくれなかった。僕が今やっている仕事は、曜日ごとに作業の特徴があり、その中でも木曜日が特に地獄なのである。朝からずーっと忙しく動きまわらなければいけなく、冬なのに汗を大量にかき、昼にはもうバテバテになってしまう。作業もかなり面倒で、頭をフル回転させ、さらに体を動かし続ける必要があるため、みるみるうちに体力がなくなっていく。とうとう木曜日が本気を出してきた。僕にはそう感じた。なぜ木曜日は僕を長年にわたって苦しめ続けるのだろうか・・・。
何を言おうと、木曜日という地獄は明日もやってくる。来週も、再来週も。これからもずっと。